「ドラクエ11」トロコン後感想(ネタバレ全開)

予約しておきながら、発売日になってもあまり熱が上がらなかった。とりあえず、で購入して遊んでみて…結果、むちゃくちゃ楽しい!!
トロコンまで150時間、一気に駆け抜けてしまうほど。

誰にとっても遊びやすい作りながら、ドラクエっていうひいき目じゃなく古典的なRPGの面白さがもの凄く詰め込まれてる今作。しかも、それだけに終わらない。

11作品も続いてきた”王道”シリーズがそれを継続して面白いものを目指すだけでも並大抵ではないと思うのですが…その上で、今また堂々と”王道”をゆくのが「Ⅺ」ドラクエは、これからもずっとJPPGの旗印であり続けるんだと思いました。(今後制作陣がどう変わろうとも、「Ⅺ」までの作品とそれを遊んだ思い出は変わらないから。)


以下、クリア後の感想です。
ネタバレを大いに含む(衣装変化装備も)ので、クリア前の方は読まないでね!!!
一切のネタバレ無しにプレイした方が面白い内容だったと思うので。PS4版プレーヤーはトロフィーリストもできたら見ない方がいいと思います。自分は見ちゃったから、ね…


◆シナリオ感想と各キャラ戦闘での役割

どう書くか悩みましたが、仲間が全員魅力的だったのでキャラごとに感想を書いてみました。それぞれの戦闘面での活躍も併せて。それ以外の感想は最後にまとめてあります。

順番は、およそ加入順。

カミュ

初めて仲間になる元盗賊の青年。自他共に認める発言のある勇者の相棒ポジションですが、プレイヤー的にその実感はあんまり…?「仲間が全員魅力的だった」と書きましたが、その中でカミュはちょっと影が薄い。


自分でも言ってる笑

元盗賊?というくらい常識的で、それが逆にキャラ個性をまるくしていた印象。記憶喪失時も敬語になるって典型的さで、ビジュアル発表時からイケメン枠として期待していただけに少し残念でした。
まぁ無難にイケメンキャラではあったと思うけど。「さそうおどり」が某ランニングマンみたいで個人的にちょっと嫌だったな…

彼のメインストーリーは妹マヤに対する贖罪。1周目こそありがちな展開だけどドラマチックで、兄妹の性格差や、カミュ自身の弱さとの葛藤が描かれていて良かった。のに、それが”無かったこと”になるからカミュはまたキャラとして不遇だなぁと思う。
あと、マヤちゃん「Ⅺ」さいかわ!

短剣ぬすみ役→片手剣アタッカー
基本的に雑魚戦はカミュ以外全員オート、「ぬすむ」のみ手動で回してました。LVUPで全快の仕様もあって、今回雑魚戦はめちゃ楽でしたね〜

序盤は初期装備の短剣を鍛えるも、攻防とも弱くて呪文も微妙…BOSS戦では毒とジバリカ撒いて、すぐ引っ込む感じでした。ブーメランの方が良かったのかな?
終盤は一転、片手剣にSP振り直し…二刀流の極意、心眼一閃、分身、会心必中あたりを覚え始めると一気にPT最大火力に!!ドゥルダ、ネルセンの試練、メタル狩りと常に前線から手放せない大活躍で、シナリオ中より断然輝いてましたね。笑
最大の欠点は、彼が”男であること”でした。(シルビアのレディファーストが使えないため)

◇ベロニカ

彼女について2番目に書くのは重すぎるかな。私にとって「Ⅺ」のヒロインは、ベロニカでした。

彼女の死が本当に辛かった。
あまり期待せずプレイ開始して、ストーリー前半(命の大樹に至るまで)はドラクエの古典的な展開を踏襲するような”王道”に、大きな驚きは無いがゆったりと楽しみ始めていた。
後半に折り返し、再びロトゼタシアを巡る冒険。仲間の再加入や各地を救う旅は、前半部には控えめだった驚きに満ちていてワクワク。どんどん引き込まれていった。(まず魚になっちゃうのとか、死にかけのロウとか笑)
ユグノアアーウィンを救ったり、カミュやシルビアの因縁も決着。様々なことを経験し、人の絆を感じながら、勇者の”守るべきもの”に対する気持ちを新たにして…いよいよラムダの地に至ると。
そこに待っていたのは、ベロニカの死だった。

うろ覚えですが、「なかま」会話のマルティナの台詞「私たち、あの時助かったのは命の大樹の奇跡か何かと思って、今まで旅をしていたというの…?」というのが胸に刺さりました。
まさにその通りで、ここまでの道中もの凄く楽しんで冒険していたから。全てベロニカの犠牲の上に成り立っていたなんて、思いもよらずに。

ベロニカが光となって消えても、葬儀中も「いやいや死んでないでしょ…だってトロフィーリストにレベルマトロフィーあったし…」ってメタ視点まで持ち出して疑ったけど、この1文が表示された時に、

「あぁもう無理なんだ」って実感がズドンときた。

”あの時”が最期だったなんて、という辛さ。でもセーニャが涙を見せないから、プレイヤーも泣いてはいけない…って思ったんだけど無理だったよね。

この後当然、セーニャはじめPTメンバーはすぐに魔王討伐の使命を果たそう、となるのだけど、プレイヤーである自分の感情が全く追いつかなくて進行が一時ストップしてしまう程でした。キャラクターとの感情の乖離…とは違うけど、勇者様御一行と違って私は一般人なのでね…すぐには無理だよ、と。
客観的な視点から遊んでいるのにここまでのめり込ませられ、感情を揺さぶられたのは本当にスゴかった。

結局ずっと辛さは晴れず、なんとかウルノーガ打倒の表クリアを果たしても胸のつかえがずっと取れないままでした。

しかし後に彼女を生き返らせる展開になったのには、悲劇を悲劇のままにしない”ドラクエの安心感”と、荒廃した世界でNPCの死をいっぱい見てきたからこその「彼女だけの生き返りを望んでいいのか?」という気持ちがない交ぜに。

”大いなる決断”は、一本道RPGの弊害だったかなぁと思います。
選択肢のようで、選択肢じゃないもんね。この先のストーリーを見るためには、主人公は今の世界線を捨てなければならない…この荒廃した世界だからこそ生まれたものもあったのに、とどうしても思ってしまう。(最期の砦NPCで孤児の世話をしてスリから足を洗うと決めた青年とか)

殆どのイベントはタイムリープ後の世界でより平和的に解決することができましたが、真EDの展開から「ベロニカが死に、勇者が消えた世界線」が残り続けているのは明らかなのでやっぱり胸が痛い。仲間みんな、強く生きてくんだろうけどさ…

両手杖で攻撃魔法エキスパート
メラとイオ系の典型的な魔導士。歴代だとコスパ悪く対BOSS専門なりがちですが、MP回復手段豊富な今作では魔法撃ちまくり。戦闘演出が派手になるので良かったです。
終盤は、呪文暴走率を高めたロマン溢れる超火力魔導士に。魔力覚醒→イオグランデメラガイアー!禁じ手マダンテ!!!
復活の杖で蘇生、バイキルトも出来るので有能でした。さすがにロリっこ打たれ弱いけど。

ムチは1度も持たせなかったので使い勝手分からず。

◇セーニャ

ベロニカの項で書けなかったけど、発売前「ラムダの姉妹」と発表されてて実はベロニカ姉、セーニャ妹というのは引っかけでしたね!自分はすんごい引っかかったよ!OP映像の入りで成長後ベロニカ??と思わせて、ただ元の姿というのも。

セーニャは、やっぱりベロニカの死関連。おっとりして姉の後ろを付いていた妹が、悲しみの末に姉の強さを引き継がんとする決意。プレイヤーの方がメンタルやられてたので、セーニャの強さがより際立って見えました。

ただやはり、過去への転移でこの悲痛な決意を正史でなくしてしまう?のが「Ⅺ」のストーリーなんですよね…ベロニカ救出は彼女の願いでもあるのだけど、ベロニカを喪って得たセーニャの強さもまた尊いのではと少し思う。
せめて彼女が”やり遂げた”ことを、転移後の世界線で本人やベロニカに伝えたくなるけど…ベロニカの死も話さないといけないから悩まれるところで、無口系主人公は何も語らなかった、というのが本編のよう。そこは最後までモヤモヤした。

回復のエキスパート。一時的に最強賢者
最初から最後までスティック装備の回復の要。今作は回復魔法使用者が多いけど、圧巻の回復魔力の高さは時にベホマラーで充分全快なほどでコスパ良。最強装備のMP自動回復もそれを後押し。
ベロニカの力を受け継いでいる時期は攻撃魔法も使いこなし、反則級の強さでした。ロウ涙目
元のセーニャに戻ってもBOSS戦スタメンでしたね。スクルトピオリム、属性耐性付与サポートといつも休む暇なし。

ところで、スティック二刀流は何の意味があったんだろう?呪文が2連になるのかと思うとそうでもないし…

◇シルビア

まさかのオカマキャラで発売前は不安しかなかったシルビア。蓋を開けてみれば、本作屈指の好きキャラになってました。ジエーゴ様込みで!

振る舞いや言動は典型的なオカマキャラだけど、その実、愛に溢れた人物だったなぁと思います。初めてユグノア跡地を訪れた時など、両親を亡くした主人公を思いやってもの凄く沈痛な面持ちを見せるんですよね。そういう人の痛みに寄り添う優しさと、「世界中に笑顔を届ける」という彼の騎士道、意志の強さが非常に好ましいキャラクターだったのかなと思います。
余談ですが、個人的にすごく好きなクレヨンしんちゃんの映画「暗黒タマタマ大追跡」のローズ、ラベンダー、レモンを思い出しました。初期クレしん映画好きなのですが、なかでもあの3人は特に好き。幼い頃ラベンダーめちゃ可愛いと思ってた。

それとシルビアといえば、世直しパレード!

発売前情報で見たときは「えっなにこれは…」ってドン引きしてたはずなのに、いざ本編で出てきたときは嬉しくて涙が出るほどだったよね。あのへんプレイ順が人により前後するかと思いますが、私の場合は仲間散り散りになって初めて合流できたのがシルビアだったので余計にでした。癒される…

トリッキーかと思いきや超優秀サポーターだった
装備は片手剣にしてましたが、あまり攻撃役ではなかったですね。
早めに習得できるハッスルダンスが超役立って、他にもツッコミ、ザメハ、バイキルトと補助には事欠かない。そして何より使えたのがレディファースト!カミュが超火力を手に入れるまではベロニカorマルティナがメインアタッカーだったので、バフった後は再行動役として前線で戦うことが多かったです。サポーターなのに守備高めなのもいいよね。

ジャスティス「ウゥー!ハァー!」とか、アモーレショットとか、特技が”うるさくて”面白かったです。笑

◇ロウ

謎の賢者と紹介されてて、マルティナを姫と呼ぶところ、その風貌から彼女の付き人か護衛役…?と思っていたら、まさかの主人公祖父でしたね。元国王の威厳、分からなかった…
というか、キャンプでもこっそりムフフ本読んでるし!笑

ギャグシーンはロウが1番多かったんじゃ?それもまた予想外。

正体を明かしてくれた時、仇敵ウルノーガを打倒した時…エレノアアーウィンの墓の前で涙するおじいちゃんの姿は、何度でも涙を誘いました。亡国の元王としても、娘と娘婿、そして孫(は生きてたけど)を守れなかった父親としても…深い深い後悔のなかで16年間旅を続け、ウルノーガ打倒を目指す理由はPTメンバーの中でもとりわけ重かったから。

散り散りになった時、冥府で修行する姿は最高にカッコ良かったです。

回復と攻撃魔法のバランス型
両手杖を装備して、セーニャとベロニカが特化してるのに対しロウはどちらも基準以上にこなす。バイキルトはできないけど、ルカニなどデバフ補助に長けてる感じでした。
とはいえ、BOSS戦ではセーニャピンチ時用に控えてるのが多かったかも。目立った活躍は無いけど、控え選手として居ないと困る。戦闘面ではそんな印象のキャラでした。

◇マルティナ

みんなのヒロイン・マルティナ。どう見てもお色気枠なビジュアルだけど、凛々しさと気高さのある女性で全然いやらしくないです。

というか、可愛い。クシャミする美人っていいなと思った…!

デルカダールの姫というのに驚きは無かったけど。主人公に対して時にお姉さんぶったり、時に幼なじみエマの存在に嫉妬を見せたりと、色んなツボを刺激せんとするキャラでしたね。笑

カミュ覚醒までの火力担当
物理一辺倒で全く呪文を覚えないという、潔い戦闘スタイル。序盤はオートでヒップアタックばっかしてたなー。笑
槍装備で育てましたが、一閃突きのような確率で外れる技が好みでないのでもっぱらばくれつきゃくカミュ覚醒後も、レディファーストが効く分活躍できることもあったかなぁと思います。
ぱふぱふはオートじゃあんましてくれなかったなぁ。

◇グレイグ

発売前は隠されていた8人目のPTメンバー。なんですが、プレイ開始時にトロフィーリストでネタバレくらってしまったんですよね…パラディンって言ったら、彼かホメロスしかないじゃん。で、OP映像観たら何となく黒い騎士の方かなって察してしまった。

仲間になるまでには色々ありましたが、デルカダール王への忠誠心が目を曇らせていたのは仕方のないことかなと思います。王自身、巷でも16年前に娘を失って変わってしまったと言われていたくらいだから…グレイグもそのこと込みで、王の言動を受け入れていたのかなと。
ホメロスの変心には気づきつつあったけど、後手に回っていたのは彼自身も認める彼の至らない点というか。武勇のグレイグ、知略のホメロス、2人揃って最強だったのにね。
わりと全員救いのあるストーリーで、ホメロスだけがどうしようも無かったのは何とも悲しかったです。

ところでグレイグさん、肩書きが「勇者の盾」なのは装備品とまるきり一緒なのでちょっと可哀想。笑

PTの盾。だけど攻撃回復もバフもできちゃう
先頭に立って攻撃を引き受ける…としたいところだけど、BOSSは苛烈な全体攻撃が多いのでバフ回復が多かったかな。スクルトだけでなく、呪文耐性も高められるので使いやすかった。
固有武器である斧を装備させ、火力もなかなか。守備下げ効果のある特技や、蒼天魔斬のマヒ付与が結構良かったです。


◆どうしても嫌だったこと

充分すぎるほど本編を満喫した後で、トロコンを目指して継続プレイ。それもまた快適な戦闘システムなどでむしろ楽しかったのだけれど、個人的に1つだけどうしても嫌なことがありました。賛否両論あるかと思いますが…

それは、エマとの強制結婚。
隠しトロフィー扱いだったこともあり、最後まで残されたのがこれ(と復活の呪文失敗)でした…

ネルセンの試練突破したけど、エマに興味無かったので断ってたんですよね。それなのに、トロフィー、そして最強武器のレシピのためには結婚”しなくてはならない”のが非常に苦痛でした。

エマちゃんが嫌いとかじゃなくて、こういうところで選択させない選択肢というのが苦痛。
まぁ、こういう発言とか一方的すぎて怖いなーって思ってたのもあるけど…

16年共に育ったらしい幼なじみより、150時間冒険した仲間たちの方が圧倒的にプレイヤーの思い入れが深いのは仕方ないよね。
「Ⅴ」のビアンカの幼なじみ属性、フローラ結婚時のゲーム的メリットを合体したような子なのに、全く受け入れられなかったのはやっぱ、「違う、そうじゃない」ってとこなんだと思うよ…!
せめてもう少し、本編の途中で登場・活躍してくれれば良かったかなぁ。


◆”過ぎ去りし時を求めて

発売前から意味深だった、今回の副題。プレイしてみると、その意味は1つではなく何重にも込められていましたね。細かいことも挙げてみると、こんな感じでしょうか。

  • 「大樹の記憶」による過去回想イベント、謎解き
  • ロウがユグノア滅亡の真実を追い求めたこと
  • 散らばった仲間が再集合する展開
  • ベロニカ死亡を回避するタイムリープ
  • セニカがローシュを救うためのタイムリープ
  • 真ED、そして伝説へ…

冒頭から何度も副題の意味をちらつかせながら、最終的には下3つが今作の大きな柱…という魅せ方でした。
ベロニカのことは上で書いたので、ここでは真EDについて。

邪神ニズゼルファを倒したあと、時の番人と化したセニカを救い、勇者の紋章を渡した主人公…セニカはそのまま、かつて果たせなかったタイムリープを行いローシュ救出に向かうのでした。そして二人が巡り会い、めでたしめでたし。

そして真ED…歴代シリーズ作品を名場面の映像とともに振り返る。いくらシリーズ作とはいえ、このゲームのEDとは思えない内容でした。
だけど制作陣が「Ⅺ」をシリーズ集大成と語っていたのが言葉通りで、真ED後のシーンが恐らく「ドラクエⅢ」へと繋がっていったのを考えると…これはドラクエ」のエンドロールだったんでしょうね。

物凄く遠慮なしに、昔からのファン向けだった。「Ⅺ」しか遊んでない人にとっても一応、セニカとローシュの結末が新たな伝説を紡いだ…?くらいには理解できるようにはなっていたけど。

私は「Ⅰ〜Ⅲ」未プレイなので、繋がりを察する程度…ちょっと損した気分。ですが、これで良かったのかなと思います。未プレイに配慮するよりも、「ドラクエ」の最後をしっかりと結んでくれた方が。

過ぎ去りし時を求めて”。
過去作を遊んだプレイヤーたちに、それぞれの思い出を振り返らせるのが最後の意味だったのかな。



ベロニカが死んだ時、過去へ戻るならこの世界には二度と戻れないと言われた時、そして裏BOSS挑戦可能になった最終盤。
ゲームをプレイしていて、決してつまらないとかの理由でなく、辛かったり終わらせたくなかったりして3度も先に進めたくなくなったのは初めての経験でした。そのたびに、サブクエストを消化してお茶を濁すという…そんな風にクエストを利用することになるなんて思いもしなかった。

ドラクエは無口主人公ですが、それと自身を重ねてプレイしてるつもりはないのだけれど。物語にのめり込ませる何かがやっぱりドラクエにあったなぁという感じ…これはPS4の美麗グラフィックによる表情の豊かさとか、それも1つの要素ではあるんだけど、それだけじゃない気がする。

とにかく「Ⅺ」、プレイできて良かったです。