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「フォーゴットン・アン」クリア後感想(後半ネタバレあり)

2月28日発売の「フォーゴットン・アン」をプレイ&クリアしました。
前日まで悩んで予約してなかったのですが、これは買って良かった…!!

2Dアニメ調のグラフィック、そしてそれがそのまま動き出すかのような作りのアクションアドベンチャー
『人々から忘れられたモノたちが行き着く世界』というファンタジー、モノたちが喋る、動く。(個人的にはそれだけでワクワクしちゃう)
そして主人公アンを通して、プレイヤーは色んな選択を迫られます。

2Dアニメとゲームの融合という独創的な試み。
アニメは客観的に”見る”もの、ゲームは主体的に”遊ぶ”ものと、通常別の楽しみ方をしている2つが合わさると……なんだか混乱しているうちに引き込まれていったような、未体験の没入感がありました!
制作意図にきっちりハマった感じ。自分の好みってのもあるけど、それだけ丁寧に作られていたってことかなと思います。

発売前にこちらのインタビュー記事を読みましたが、スタジオジブリSTUDIO 4℃といった日本のアニメにも影響を受けているそう。
www.famitsu.com

ジブリだと「ハウル」が好きって自分みたいな人は合うんじゃないかな。
あと「アリエッティ」とか、「パプリカ」(今敏監督作品これしか観てない)とか。

作品紹介

フォーゴットン・アン - PS4

フォーゴットン・アン - PS4

すべての失われたものや、忘れられたものが行き着く場所を想像したことはありますか?
古いおもちゃ、手紙、靴下・・・。フォゴットンランドはそんな人々から忘れられたモノたちが行き着く場所。彼・彼女らはフォゴットリングと呼ばれ、人間の持ち主との関わり合いの中で自我や感情を育んでいった彼らは、いつか持ち主のもとへ帰ることを願っています。

主人公アンは師匠のボンクと共にフォゴットンランドの秩序を守る者として、この世界で暮らしています。「モノ」ではなく人間である二人がなぜフォゴットンランドにたどり着いたかは謎ですが、すべてのフォゴットリングたちが人間の住む世界へ帰れるようになる装置「イーサゲート」の建設に取り組んでいます。
フォーゴットン・アン | Chorus Worldwide

ThroughLine Gamesが開発したインディゲーム。(デンマークの会社らしい)
ジャンルは2Dパズルアクションによるアドベンチャー

海外では2018年5月にリリースされたようですね。今回日本での発売は、Nintendo SwitchXbox OnePS4版。
基本DL販売って感じみたいで、パッケ版はPS4版のみ。
2,980円(税込/デジタル版)、3,980円+税(PS4パッケージ版)とお値段少々上がります…が、こちらのみ初回特典「オリジナルサウンドトラックDLコード」が付属

ということで、私はPS4パッケ版を購入しました('ω')ノ
Twitterの方で訊かれたので書いておくと、中身はDLコードではなくちゃんとディスクでしたよ!

サントラの方は全39曲。挿入歌「Forgotten Anne」もしっかり収録されています。
また、作中曲の演奏はコペンハーゲンフィルハーモニー管弦楽団とのこと。

楽曲は全体的に,ビビットな印象の『ゲーム音楽』というよりは、物語に静かに寄り添う雰囲気。映画の劇伴っぽい。
ゲーム好き向けかどうか分からないけど、音楽素人の私としては、特典なのにオーケストラ演奏が30曲以上も!?リッチ!!!って感じでした。もちろん曲も好き。


※ここからは体験版のプレイ範囲に限り、スクショを載せていきます※


ネタバレ無しで、良かったとこと微妙だったとこについて。書き終えてから思ったけど半分紹介半分感想みたいなよく分からないものになってる( ˘ω˘ )

ちなみにプレイ時間は記録されてなかったかと思うけど、体感7~8hかな?

2Dアニメ×ゲーム体験

一番の伝えたいとこがココなわけですが、文章じゃ伝えきれないような気が既にする……ただ最初に言いたいことは、本作のアニメーションの良さは決してそれ自体『美麗』なことには無いこと。ゲームパートも同じです。それ単体で見て特別スゴイっていうものでは無いと思う。


まずプレイヤーが気が付くのは、とにかくシームレスにアニメからゲームへ、その逆へ移行していく凄さ。これはきっと体験版やってもられえば一発で分かる!はず!!
冒頭のエレベーターのシーンは、その感動を真っ先に感じられるようになっていました。
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( ↑ これはアニメパート)

しかし実際プレイしてみると、これはいわゆる”掴み”で、より多くの時間体感することになる凄さはキャラクターたちの2Dアニメ表現にあった。
アニメと同じコマ送りで描かれたキャラたち。インタビュー記事によると操作キャラであるアンだけで5000カット以上とか。

ただ、私がそれを体験版でプレイした最初の感触は、ゲーム的には”重い”というものでした。
階段の昇り降り、とかね。ゲーム的な省略が全然されてなくて、あーこれアニメ絵の表現をやりたい過ぎて動作もっちゃり系かなと思ってしまった。

でも実際プレイしてみたら……それが意図されたものだったとよく分かった。2Dアニメの世界の中で、アンは2Dアニメ的な動作を保っているほどその”息遣い”が感じられる。
走れば5秒で息切れする、高さによって着地姿勢が変わるといった、動きの描写の丁寧さも大きい。やってるうちにむしろこのテンポ感は、プレイヤーがアニメ絵を動かして物語を紡いでいるような感じ、インタラクティブな感動にも繋がる大事な部分であったと気づきました……やっぱたかだか30分の体験版じゃあ、良し悪しの判断できないなってw 


更にぶっちゃけて言えば、プレイしてるうちにグラって慣れるよね。良い意味でも悪い意味でも。プレイに集中すればするほど何か”概念”見て動かしてる感覚になる。ゲームに入り込んで主客一体となったというか。キャラ自体は見てるようで見てない状態、だんだん頭の中は攻略的に効率いいルートだったり物語への思い巡らしだったりに占められてしまう。

「フォーゴットン・アン」の場合で言うと、グラの”慣れ”はむちゃくちゃ力入れて作ってる部分に目がいかなくなるので悪い意味の方になる……のではなく。そこに至ってむしろ、最初気になったような階段の昇り降りといったテンポ遅い動作が”良い”と感じられたような気がする。絵への集中を引き戻してくれたというか。

途中からはいっそ階段歩く『トテテトタト』ってリズムが心地よかったぐらい(^_^)

会話シーンのスキップ不可もそうですね。諦めて眺めることに集中できた。

まぁ、スキップ不可は良いとばかりは言えない点ではあるのだけど……ひとまずクリアするまでなら全然気にならなかった。

その他、良かったとこ

パズルアクションについては特段書かなくてもいいかな……難しい操作を要求されることが無い、どちらかというと謎解き寄りのアクション
それもあまり難しくない方かと思うけど、何より「リトライ」が無い!落下死や時間切れなど一切ありません。ゆったりした気持ちでストーリーを楽しんで欲しい作品なんだと思う。

ただし基本ヒント無いので、ちょっとした勘違いや思い込みでどん詰まることはあった……自分が詰んだとこを思い出しつつアドバイスみたいなの書くとしたら、
「台詞をちゃんと聞くこと」
「難しいアクションは要求されないゲームだから、無理目なアクションに思えたらそれは不正解」
かな('ω')ノ


それからもうひとつ言及したいのは、プレイヤーに迫られる選択について。(選択場面のスクショ撮ってなかった…;)
これもまたインタラクティブであるための工夫ですが、こういうのって選択の結果の返し方が重要じゃないかと思っていて。プレイヤーが選んだものがどう跳ね返ってくるか。その点、詳しくはネタバレになるので避けますが、しっかり描こうとしている作品です。

例を挙げると、最初に”選ぶ”ことになるこの場面。
反乱者のひとりがアンの家に飛び込んできて……体験版では、アンは咄嗟に反乱者のアニマ(モノたちの魂的なもの)を抜いてしまった。
今回のプレイでは別の解決を探したところ、逃がすことができました。
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ストーリーは、 ↑ のようにアンの日記(ここの場合はボンク師へのレポート)という形で残されていくのも凝ってて素敵なところです。スケッチ可愛い。

上のマフラーくんみたいに登場するモノたちは日用品が多く、それぞれ個性的でちょっとクスッとくる感じです。単に自分がこういうの好みって言うのもありますが(*'ω'*)付喪神とか、好き。

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”動く電気スタンド”は「ゴーストトリック」の専売特許じゃなくなった。(私の中で)


※ここからは体験版範囲以降を含みますが、ストーリーのネタバレが少ないスクショを載せていきます※

和訳は微妙

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こういうあからさまな誤字は他にもあって、ちょっとお粗末。

そして、それを差し引いても良い翻訳とは言えないかなぁと思いました。そのせいで「選択肢」を誤ってしまう、といったような悪影響は無かったので、翻訳の役目を最低限は果たしてくれているのですが。

直訳っぽいというか……字幕文字数がすごく少なくて、原文のニュアンスが入りきってなかったり、中には言ってる内容を一部無視してるのすら。
物語の展開を知っていくための情報は字幕だけでも必要最低限保証されてる、というかそれだけで字数が埋って感情的な表現がおろそかになってる、という印象です。

ただたぶんこれ、上にも書いたように「会話スキップ不可」、つまり表示時間がものすごく限られたとこに何とか突っ込んだ結果かなって思うので、お疲れ様ですって感じ……あまり責められない。

プレイする際には、できれば英語音声にも耳を傾けつつの方が楽しめるかなぁと思います。字幕だけ追うと、ちょっとヘンテコな日本語でつまらなく思えてしまいそう。

クリア後について

※シナリオネタバレは無いですが、クリア後の話なので気になる方はリターンしてください※

 ↓ ここでリターンする方のためのお茶濁しスクショ。
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ヒントだよ!って渡された地図(?)がむしろ謎なやつw

恐らく一度エンディング迎えると、セーブ画面から行ける隠し部屋が追加。
ここで出来ることは以下4点。

  • チャプター選択による再プレイ
  • 「思い出の品」のヒント閲覧( ↓ にスクショあり)
  • エンディング時に表示される「評価」確認
  • ジュークボックス(条件あり)

有って良かったチャプター選択!!!!しかもその仕組みが!(≧▽≦)
隠し部屋自体もそうだし、こういうとこに凝ってる作品に弱いです。嬉しい。
2周目以降も会話・イベントスキップ不可なのはちょっとだるいかなーって思いましたが。

ジュークボックスの条件は、「思い出の品」の全収集だと思います。全て集めたら、隠し部屋の中にいる宝箱のフォゴットリングに話しかけるとあるアイテムを入手。それを使ってジュークボックスが起動できるようになります。

「思い出の品」のヒントはこんな感じ。
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本編中には一切見せないものなのに凝ってる。まさに宝探しの地図!
意外と取り逃し3つしかなかったんで、もっと探したかったw

ちなみにチャプターから「思い出の品」収集する際ですが、アイテムゲットした時点でメインメニューに戻って大丈夫でした。

感想(ネタバレあり)

※ここからは、ストーリーのネタバレを含む内容です。スクショも載せていきます※

 ↓ ここでリターンする方のためのお茶濁しスクショその2。
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フォゴットリングたちの世界に存在する”テーブル”とかって何なんだろうね?って会話。(これ答えあったのかな?)

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最大に詰んだトコ。
「ハシゴ(高所)から飛び降りた着地姿勢」かと思って何度も何度も繰り返してました……。
正解は「モノを拾う」動作。

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上段、左から三体目ファービーでしょ!!!!なっつかしい!!
マグナム警部が捜査時にポロっとこぼした「犯人は豆挽きか!?」にちゃんと応える小ネタも良いよね。



さて。(ここまで書いてすっかり疲れてきてる)


分岐ストーリーの仕様についてよく分からないですが、基本ラインは一本なように思ったので、それを前提に感想を書いていきたいと思います。

道中は基本的に善人っぽい選択をしていった…かなぁ。最終盤までアニマ吸剥ゼロで行ったし。
最後の選択は、「フォゴットランドに残る」方を選びましたがプレイし直してもう一方も見ています。

本当は、トロフィー「ティンクに道を開けてもらう」のシーンを見届けてから、感想書きたかったのですが……何度かトライして分からず諦めました。

到達したリザルトはこれ。
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隠し部屋のスペースをみるとこの、「これまでのあなた(プレイヤー)の選択の評価」的なリザルトが複数パターンありそうですね。
物語の”分岐”はラストシーンの二択と、「全体を通しての選択と行動」そしてその「試し」にあるようだった。

スキップも不可なので全ルート回収は無理そげ……逆に言えば全部を見て楽しむというより、初周の結果がプレイヤーにとってのエンディング、という捉え方で良いような気がします。

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アンを通して見るフォゴットランドの物語。
はじめはアンというキャラクターへの興味と、フォゴットランドの秘密、アン自身の秘密を知りたいという好奇心でプレイヤーは眺めているのですが、フォゴットリング……反乱者やそうでないモノたち、様々な思想や想いに触れ、そこに”選択”(時にはモノの生死に関わる)を与えていくことで、いつのまにかプレイヤー自身の思想が問われているような”体験”となっていくものでした。

”私のアン”は出来る限り平和主義者で、敵対する相手を理解しようと努め、諍いを仲裁し、物語を紡いでいったのです、が……。
そういう当たり障りがなさそーーーな生き方をしていても、むしろそれを利用して心揺さぶろうとしてくるのがこのゲームでした。

具体的には物語前半部と後半部の構成。
執行官アンが家を出て、反乱者を追い、その先で世界と自分の真実を知る往路。
真実を知り、反乱者となってボンク師を止めに向かう復路。

前半部の執行官アンと、後半部の反乱者アンが真逆の人間になっているので、その場その場で状況を見て、適切っぽい選択をしているような小賢しい”ゲーム”プレイを許さないんですよね。
プレイヤーの、芯のある答えが要求される。『体験するアニメ映画』の試みは、自分にはしっかり刺さりました。

そして、忘れられたモノたちに宿る、人の想いや足跡に触れて(進化したアルカでフォゴットリングをポイントして見られる情報にジンときた)。彼らが主をなくしたフォゴットランドで、モノとして役立つ”機能”以外の生き方を探し始めたのを知って。

あぁこれは、人生に課せられた”役割”以外を探す生き方がテーマなのかな、と私は感じました。

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忘れられた子、アン。時代遅れとされた元時計職人、ボンク師。そして、忘れられたモノたち。
『忘れられた』というその言葉自体、彼らに主体が無い。勝手に忘れる"誰か"のせいでそうなった言葉だ。

ただ懐が広いことに一方では、ティファニーとの友情など、課せられた役割の中で育まれるものも否定していない。最後の選択で、思い出を重視する生き方も認めている。(フィグ「もう許してるよ」、泣いた)

しかし、やはりハッピーエンドと呼べそうなのは、彼女自身が旅路で得た「自由」を選んだ方の結末で。アンのことだけを考えたらどっちを選んでも全然幸せになれない、のに、救われない”鬱ゲー”だとは全然思わなかった。

アンの満足と、フィグの心にアンの存在が残ったことと、プレイヤーである私自身の心がリンクしていたからだと思う。